2005-05-09 100円の傘 文章 私にできることといえば あの人を待つことだけ そんなことを思いながら 窓の外を見る 雨はまだ降っている ああどうか あの人が戻ってくるまで降っていてください それならきっと 私のことも覚えていてくれる もし私が もっと高価だったなら そんな心配を する必要もないでしょう でもいいんです 私が100円でなかったら あの人は見向きもしないでしょうから 地味で安っぽい私を選ぶなんて きっとそんな理由 だけど 今はそれに感謝しています