100円の傘

私にできることといえば あの人を待つことだけ
そんなことを思いながら 窓の外を見る
雨はまだ降っている
ああどうか あの人が戻ってくるまで降っていてください
それならきっと 私のことも覚えていてくれる
もし私が もっと高価だったなら
そんな心配を する必要もないでしょう
でもいいんです 
私が100円でなかったら あの人は見向きもしないでしょうから
地味で安っぽい私を選ぶなんて きっとそんな理由
だけど 今はそれに感謝しています