高嶺の花

高嶺に咲いたせいで 私の名前は高嶺の花
私に友達はいない ここは近寄り難い高嶺だから
いつも花を広げ 皆の羨望を集めなければならない
気を抜く事を許されず 張り詰めた空気の中で息をする
稀に訪れる人達は 私を見て溜息を漏らす
それに喜ぶ私はいない あるのは安堵感
雨が降らなければ 私は枯れてしまえる
風が吹いたなら 私は飛んでしまえる
でもそれもかなわない 私を守る人のせいで
守ってるつもりなの 苦しめているだけのくせに
満足した彼は 私を見て微笑みかける
君のためと言う その目に私は映っていない
私の目に映る 自分の顔を見て彼は微笑む
そして私は今日も葉を広げる 折れそうな心で
そして私は今日も花を咲かせる 心とは裏腹に白い花を