「勝手にロックンロール」THEイナズマ戦隊

「直球な歌詞」「ストレートに響く曲」これらの謳い文句は、非常に危うい。時としてそれは、単なる稚拙な音楽になりかねない。そしてそれらの台詞に、免罪符としての効果を期待する。
でも、イナ戦にはそんなものは必要ない。彼らが投げる歌詞は、まさに150キロのストレートだ。直球系のエモバンドに潜むあざとさ、計算高さなどは皆無だ。すべてをさらけ出し、いつも全力投球。カーブを投げる暇があるのなら、ストレートの速度を増すための練習をする、そんなバンドだと思う。難しい言い回しなんて一切ない。歌詞カードを見れば赤面ものだが、彼らのリズムに乗せればそれも自然に聴こえる。シングルになっている「応援歌」など、その代表曲だ。正直、今日も聴いてて泣きそうになった。シンプルな歌詞も、彼らの演奏と声が入ると想像以上の力を含むようになる。
青春なんてキーワードは必要ない。音楽が好きで、人生が好きな人には是非聞いて欲しい一枚だ。